ランニングにおける足のつき方 その2
前回は踵接地のお話をしました。
今回は、
ミッドフット(土踏まず付近から足裏全体での接地)
フォアフット(拇指球〜つま先での前よりの接地)
についてお話ししていきます。
いきなりですが、トップレベルのランナーのほとんどはフォアフットもしくはミッドフットです。マラソンの国際大会等の上位層はほとんどがフォアフットで、長距離ランにおいて記録を最優先に考えるのであれば、抑えておきたい内容です。
まずミッドフットですが、足の裏の土踏まず付近から地面を迎えにいくように足裏全体で接地します。こちらは足裏全体で接地することで、安定して走れることに加え、衝撃が吸収されやすいので、膝関節の負担も少ないです。習得が難しいと言われますが、ヒールストライク(踵接地)からの移行であれば、怪我のリスク等も考慮すると、フォアフットより難易度は低いです。
次にフォアフット。拇指球からつま先にかけての足裏の前寄りでの接地になります。膝や関節への負担が少ない、接地時間を短くすることができる、筋肉への負担を減らせる等の理由から効率の良い走り方で、先にも述べましたが、記録向上を狙うのであれば是非取り入れたいスキルとも言えます。
ですが、簡単にこの接地方法ができるかと言えばそうはいきません。ふくらはぎの筋肉などに負担がかかるため、筋力強化等、しっかりと習得の準備をしなければ、アキレス腱を痛める等の怪我に繋がります。フォアフットを習得する際は、いきなり前足部で接地しようとするのではなく、少しずつ感覚を掴み、筋力強化等も行いながら慣らしていくことをおすすめします。
基本的にはどんなシューズでもフォアフットで走ることは可能ですが、記録を狙うためのシューズやスピードを出しやすいシューズに関しては、フォアフットやミッドフットでの使用を前提としているかのような物が多く、そのようなシューズの性能を引き出す為には、フォア、ミッドフットの習得が重要です。そういったシューズは、踵接地では安定感がなかったり、カーボンが入っていて踵接地だと硬いだけで走りづらい。などなど、走れないということはありませんが、性能を引き出せないばかりか、怪我に繋がる可能性もあります。
↑例えばこのシューズの場合⭕️のところに後ろよりも高反発の素材を使っている為、前寄りの接地の方が反発を得られます。
走りやすさ、怪我しにくさを重視している初心者でも使いやすいシューズは、踵接地でも走れるシューズがほとんどですが、スピードや記録を重視するには不向きです。しかし、スピードを出すようなシューズは、日常のゆっくりとしたランニングには負担が大きいため、フォア、ミッドフットの上級者でも、踵接地にもおすすめのシューズを選ぶことはよくあります。
自分の目的、使い方、走り方によってシューズを履き分けたり、買い替えたりすることで、負担が減ったり、効率が良くなるかもしれません。ランニングが苦手な方は、トレッドミルでのランニングを選択する方は少ないかもしれませんが、こういったところを意識すると、少しでも楽しさを感じられ、続けやすいのではないでしょうか?日々のランニングに飽きてきている方、よりレベルアップしたい方はぜひ意識してみてください。